ほぼ毎朝ウォーキングの時間帯。通勤通学、犬の散歩、ご近所どうしでのお喋りといろいろである。目が合えばおはようございますとあいさつを交わす。気持ちのいいものである。
私の子どもの頃は、知らない人とは口を利かないものと決まっていた。其の習慣がずっと後を引いている。
其のせいか自分の性格なのかわからないが、知らない人への挨拶を一瞬躊躇する。それに加え、あいさつをしたらいい人か、するとちょっと変だと思われるか、とか考えているうちにあいさつするタイミングを逃してしまう
ウォーキングをしている人には、あいさつしていいが、それも、あいさつしにくそうな人もいる。
犬の散歩をしている人もこれまた然り。迷ってしまう。
そんなこんなで迷っているうちに、相手から先にあいさつされることが多い。
こんなものはいちいち考えてするものでないと思い、私の方から先にあいさつするよう心掛ける。
この年になって、こんなことを思い悩むなんて、馬鹿みたいな話である。
其の点、今の小学生ははきはきと礼儀正しい。知らないお婆ちゃんにもすぐにおはようございます、とあいさつしてくれ気持ちのいいものである。
しかし、大人のわたしは一応相手をみてしまう。犬の散歩をしている人や、ウォーキングをしている人でも、いまだに
誰にでもと言うわけにいかないのである。こんなことを深く考える自分が嫌いなだけである。
先日、面白い風景を見た。
大柄の太った外人の男性が犬の散歩をさせていた。その散歩のさせかたが変わっている。
三匹のトイプードルを犬どうし繋げて、自分は手ぶらでさっさと前を歩き、三匹の犬たちは互いに引っ張られながら、ご主人の後をコロコロ、チョロチョロとまことに可愛い。
その後を行くわたしを、一匹が珍しげにふりむき振り向きしながら歩くのを、他の二匹が無関係にひっぱるので、仕方なく引き戻されている。
そんな状態も飼い主は知らず、お構いなしで早足で歩く。
犬のことをみていないから、うんちの時はどうするのだろうと思っていたら、案の定、一匹が落とし出した。しかし、あとの二匹に引っ張られポロポロ落としながら済ませた。
当然飼い主は知らないことである。
わたしは声をかけたかった、ヘイユー。でもその後はなんと言えばいいのだ?当然何も言えず落ちたものを見ながら通り過ぎた。