去年は、精霊流しの日を忘れてしまって、今年は忘れないように暮れから、新しいカレンダーに覚え書きを記入しておいた。しかし夫の初盆になるとは。
またひとつ行事が終わり、気持ちも軽くなると思っていたのだが、やはり淋しいものである。
精霊流しのもようは話には聞いていたのだが、会場の裏手から入ったものだから、着いて一番始めに目にしたものが、ゴミ収集車である。
ちらし寿司を作り、お経をあげて、祭壇を片付けてと、出かける仕度をしている内に淋しくなってき、胃も体もだるく、力が抜けたよう。会場に来て最初に目についたのがゴミ収集車である。
家に帰ってきてもやれやれと思う気持ちになれなかった。
去年までは、こんな精霊流しに意味もなにも持てなくなり、行くことを止めていた。今年はそうもいかず、祭壇やお供え物舟など、結局は処分に困るから持って行くようなものである。
こんなことを精霊流しと言えるのだろうか。食べ物を無駄にし、無駄な費用を使って、どう考えても胸の内はもやもやして、静かに霊を送ったと言う気持ちにはなれない。さて、来年はどうしたものだろうか。